中級~上級者向け:よいスパイクを打つために意識すること

バレーボールにおいて一番の得点源となるスパイク。今回はより決定率を高めるために意識すべきこと紹介していきます。

 その1 ボールの落下点にはいる

自分が打ちたいスパイクが打てるかというのは、スパイクを打つ瞬間の自分の体の位置でほぼ決まります。

もちろん打つ瞬間に必要な力や技術を持っている前提の話ではありますが、もしこれが少しでもずれていると思い通りのスパイクは打てません。

スパイクジャンプは基本的に垂直に飛びます。

ですから助走でしっかりボールの落下点に入っていればあとは跳んで打つだけです。しかしよくよく考えるとこれがなかなか難しいと感じます。

なぜなら、自分のジャンプ力やトスの長さ、トスの高さなどによってボールの落下点にどう入っていくのかが毎回変わるからです。

ただこれらをいちいち考えている暇はないので、うまく落下点に入れるようになるまでセッターの方や仲間に協力してもらい、いろいろなトスを上げてもらいましょう。

これは私の感覚ではありますが、ボールとの距離感をしっかりつかめているときがうまく落下点にはいれている気がします。

日ごろの練習からボールとの距離感を意識してみるといいかもしれませんね。

その2 しっかりジャンプする

スパイカーに必要な力の一つにジャンプ力があります。

これはボールを打つ際の地面からボールまでの高さ(打点)にかかわってきます。

打点が低いとネットやブロックにかかってしまう可能性が高まります。

せっかくスパイカーになったのなら決めたい!これはスパイカーならだれもが思っていると思います。

そのためには打点をあげる必要があります。

バレーには独特の飛び方がありますが、重要なのは次の三つです。

1.腕の前の振り上げ

2.ジャンプする前の助走&踏み込み

3.ジャンプするときの踏み込む足の向きを進行方向に対してなるべく垂直にする

1については思いっきり振り上げてください。イメージ的には腕を真上に振り上げる感じです。

2について、ここでジャンプに加えられる勢いが決まります。

勢いのつけかたとしては、ジャンプするときに最後に踏み込む足と逆の足をジャンプする前に思いっきり踏み出します。この勢いが大事です。

3について、ジャンプがうまくできていない人はこれに気をつけるだけで高く跳べるようになります。

先程説明した1,2は助走からジャンプするまでの流れがある程度できるようになったときに改善の余地がありますが、まだそれに慣れていない人はこれだけでも意識してください。

やり方としては簡単で、自分がボールに向かう方向と足がなるべく垂直になるように踏み込みます(踏み込む足は自分がスパイクを打つときの手とは反対側の足です)。

これが高く跳ぶのに重要で、簡単に言うと助走でつけた勢いを上方向の力に変えることができます。

私も踏み込む足の角度を色々変えてみましたが垂直にした時が1番跳べます。

これに慣れてくると楽に高く跳べるようになってくるので、飛べてないなあと感じる方は是非一度試してみてください。

その3 ためをしっかり作る

スパイクは強く打ったほうが決定率が上がるのは言うまでもありません。

しかし、それをいうとたいていの人が腕だけでボールを強く打とうとします。

では、強いスパイクを打つのに必要なことは何でしょうか。

それはしっかり”ため”を作ることです。腕だけで打っている人はこの”ため”が十分ではありません。

ためを作るには、肘をしっかり後ろに下げる必要があります。

どれくらい下げればいいかというと、胸が前に張っているなと感じるくらいです。

こうすることで、上半身をフルに使ってスパイクを打つことができます。

腕だけよりも扱えるパワーが大きくなるため、より強いスパイクが打てるのは言うまでもありません。

また、腕だけで打つと肩に負担がかかりすぎてしまうため、あまりお勧めしません。

今腕だけで打ってるなあと感じる方は今後もバレーを続けていくためにも、ぜひ自分のスパイクフォームを見直すことをお勧めします。

私は肩が強かったので、中学生時代にこの腕だけで打つ打ち方をしていたら、最後の中体連前に肩を壊してしまい焦りました。ぎりぎり治りましたが、完治までに3~4週間ぐらいかかりました。

その4 最高打点でボールをとらえる

スパイクは高いところで打てれば打てるほど決定率は高くなります。

そのためには自分が出せる最大の高さでボールを打ちましょう。ではどうすれば最高打点が出せるでしょうか。

もちろん思いっきりジャンプするのは当たり前ですが、腕をしっかり伸ばすことを意識してみてください。

ここで気づいてほしいのが、ただ腕を上げるより肩を持ち上げる感じで腕を伸ばしたときのほうがより高くまで腕が伸びることです。

これを空中でできればそれが自分の最高打点です。打つ瞬間に腕を伸ばす、肩を持ち上げることを意識してみてください。

その5 しっかり振りぬく

バレーボールをしているときにたまに見かけますが、腕をしっかり振りぬけていない人がいます。

腕を振りぬくメリットとしてはいくつかありますが、主に次の二つがあげられます。

1.強いスパイクが打てる

2.ミートがかかりボールがコート内に入りやすくなる

1について、腕を振りぬくことで腕の振りの力を最大限ボールに伝えられます。こうして打つことでスパイクはより速く、より重くなり、レシーバーにあげられづらくなります。

2について、ミート(ボールに前方向の回転をかけること)がかかりやすくなります。これによりボールが下方向に落ちやすくなるので、コート内に入る確率が上がります。

上に挙げたように、腕を振りぬくことで格段に決定率は高くなります。腕を振りぬくのにデメリットはないので、スパイカーなら意識していきましょう。

その6 相手のブロック、コートをよく見る

強いスパイクが打てることもスパイカーにはもちろん大切ですが、がむしゃらに打っても決まりません。

相手ブロックが自分に対してどの方向に跳んでいるのか相手コートのどこがあいているのかを確認しましょう。

そんなこと言ってもボールも見ないといけないし、そんな余裕ないと思う方も多いでしょう。

ではそれらを見るタイミングをお教えしましょう。

基本的にはまず自分がスパイクを打たないとき(前衛ではないとき)によく観察します。

相手がスパイクレシーブの時にどんなポジショニングをしているのか、どこが開いているのか、ブロックはどっち側をあけているのかなどです。

この情報をもとにいざ自分が前衛になった時にどこにスパイクを打つかを微調整するので、もれなく観察しておきましょう。これはバックアタックを打つ方も同様です。

次は自分がスパイクを打つときです。

このときは少し忙しくなりますが、まず相手からボールがかえってきてそのボールが上がている間に一瞬相手コートを見て、相手がどんなポジションを取ろうとしているのかを確認します。

そしてセッターからトスが上がっている間に相手のブロックの位置とレーバーの位置を大まかに確認します(もちろんボールも見ています)。

具体的にそれぞれにどれくらいずつの意識を向けているかというと、打つ前はボールに20~30%、相手に70~80%ぐらいの意識を向けます。

打つ瞬間はボールは見ないといけませんが相手ブロックも見ていないといけないので、ボールに70%、相手ブロックに30%ぐらいの意識を向けます。

これは上級者でないとなかなか難しいので、まずは自分が打たないときに相手を観察するというのをやってみてください。

注釈 スパイクを打たないとき(前衛ではないとき)に観察すると書きましたが、自分がエースであったり決定力が高いスパイカーの場合は観察していた場合と異なる場合があります(例:ほかのスパイカーはブロックが2枚なのに3枚になる)。

その場合はどうするかを臨機応変に対応する場合があります。

例えば先ほど挙げた例のような場面ではレシーバーの数が減っていると考えられるので、フェイントするなどです。

その7 気持ち

物事においてどのような原理が働いているかを理解すれば大概のものはある程度できるようになります。

しかし、スポーツが他と違うのはプレイヤーの気持ちがそのままプレーや結果に反映されやすいことです。

バレーでいうとスパイクでブロックをぶち抜いたり、ひろえないであろうボールをひろえたり、様々な場面でそれを見ることができます。

そういったプレーはもちろんそのプレイヤーがそれほどの技量を持っていることもありますが、気持ちがそのプレーを後押ししているのではないかと思います。

ただただスパイクを打つだけではなく、何か思いを持ってスパイクを打ってみましょう。

きっと決まらなかったスパイクも決まり、打てなかったボールも打てるようになります。

最後に

よいスパイクが打てたときは気持ちがいいですよね!

それをほかの方々にも感じていただきたくて今回この記事を書きました。

スパイクがうまくなればあなただけでなくチームにも大きなプラスをもたらします。

この記事に書かれたことを参考にぜひ試行錯誤してみてください。

読んでいただきありがとうございました。

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